現在のUCIポイントの制度では、ステージレースで勝つよりも、ワンデーレースで勝った方がポイントが高い。
これをうまく利用したのが2025年シーズンのXDS Astana Teamだ。ワンデーレースに有力ライダーを送り込み、勝利しなくても上位でゴール出来るように最後まで手を抜かない。これで不可能と思われた降格から免れている。
同じ勝利でも、ワンデーレースとステージレースでの勝利では、大きくポイント数が違う。そんな現状のUCIポイントシステムに一石を投じる動きが出ている。
ステージレースの「価値低下」への懸念
チームが残留争いなどのためにポイント効率の良いワンデーレースに戦力を集中させ、ステージレースが軽視される傾向がある。
極端な例では、かつて6日間のステージレースだったツアー・オブ・オマーンは以下のように変更。
- 1日のワンデーレース(マスカット・クラシック)
- 5日間のステージレース
2025 マスカット・クラシックではTudor Pro Cycling Teamのリック・プルイマーズが優勝して125ポイントを獲得。
しかし、ツアー・オブ・オマーンの各ステージでは、優勝しても20ポイントしか獲得できないのだ。総合優勝したアダム・イェーツは250ポイント獲得。総合3位でようやく125ポイント獲得なので、割が合わない。
UCIに提案されている新しいポイント制度では、ステージレースの価値を「同格のワンデーレース」と連動させて引き上げようとしている。
ステージレースの各ステージに割り当てられるUCIポイントを、同レベルのワンデーレースの70%に設定するという案が出されている。
これにより、ステージレース全体のポイント総額が大幅に増えることになる。 こうなれば、総合で上位に入った選手がより多くのUCIポイントを得ることが出来るようになるはず。
小さなステージレースを主催する運営者にとって、有力チームや選手を呼び込むためにもポイントの見直しは必要だ。この件について、UCIからの回答はまだない。





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