第4テージは2020ジロ・デ・イタリアでも登場したポルテッラ・マンドラッツィの登りを上がるクインーステージ。
ゴール前にも、登りがあり41歳のリーダー、アレハンドロ・バルベルデが総合優勝を飾れるのか注目される。
復帰して最初のステージで優勝すると凄いことだけど。
第4ステージ サンターガタディミリテッロ~マスカリ 180km
海岸沿いのサンターガタディミリテッロからスタートし、ポルテッラ・マンドラッツィを経てエトナの斜面へと登っていく。
リンガロッサとピエモンテ・エトネオまでの短い平坦なコースを経て、リポストの海へと下る。
一度、ゴールを通過し、Sciara di Scorciavaccaを登る。
- 超級山岳 ポルテッラ・マンドラッツィ 24.2km・4.2%
- スプリントポイント Giarre
- 超級山岳 Sciara di Scorciavacca 9.7km・6.4%
頂上からゴールまでは17km。下りで追いつくのは結構リスクがあるので、それまでに決着をつけておきたいところだ。
スタート前
リーダーのアレハンドロ・バルベルデとアレッサンドロ・コーヴィのタイム差は7秒。この最終ステージで決着となる。
アレハンドロ・バルベルデは、昨日のゴール後の落車で肘に包帯をしている。
クリス・フルームは爪痕を残せるかな。
スタート
快晴の中スタート。
スタートから1時間はアベ47km/hを越えるスピードで逃げられない。山岳賞のベン・キングもスタートアタックをかけるが決まらない。
アレハンドロ・バルベルデは、当然守られて進む。
アレキサンダー・トネッリ(BARDIANI-CSF-FAIZANÈ)が、一人で逃げだす。
これに最初は5人が追いつく。クリス・フルームも入っている。更に、後ろからクリス・ハミルトとロマン・クルジガーが追いつく。
- クリスティアン・スカローニ (GAZPROM-RUSVELO)
- クリス・ハミルトン(TEAM DSM)
- マルコ・ブレンナー (TEAM DSM)
- エドワード・ラヴァシ (EOLO-KOMETA)
- JULEN AMEZQUETA (CAJA RURAL-SEGUROS RGA)
- ジョーン・ボウ (EUSKALTEL-EUSKADI)
- クリス・フルーム(ISRAEL START-UP NATION)
- ロマン・クルジガー(GAZPROM-RUSVELO)
超級山岳 ポルテッラ・マンドラッツィ 24.2km・4.2%
超級山岳を逃げ集団が越えていく。
- クリスティアン・スカローニ (GAZPROM-RUSVELO) 25ポイント
- クリス・ハミルトン(TEAM DSM) 17ポイント
- マルコ・ブレンナー (TEAM DSM) 12ポイント
- エドワード・ラヴァシ (EOLO-KOMETA) 10ポイント
- JULEN AMEZQUETA (CAJA RURAL-SEGUROS RGA) 7ポイント
- ジョーン・ボウ (EUSKALTEL-EUSKADI) 5ポイント
- クリス・フルーム(ISRAEL START-UP NATION) 3ポイント
- ロマン・クルジガー(GAZPROM-RUSVELO) 1ポイント
残り50.2kmでタイム差は1分16秒に。
クリス・フルームは先頭交代をガンガン回している。
平坦路に入ってから、UAE Team Emiratesが先頭牽引に加わる。
逃げ集団は最後の山岳ポイントまで逃げれるかな。タイム差は45秒しかないので厳しいけど。
やはり、フルームが逃げると良くアップになる。
Team DSMは、二人逃げに乗っているので、クリス・ハミルトンが登りでアタックをかけるのかな。
フルームは、どこまで逃げれるだろう。
スプリントポイント Giarre
逃げ集団がスプリントポイントを通過。
続いて30秒で集団が通過していく。
超級山岳 Sciara di Scorciavacca 9.7km・6.4%
逃げが最後の登りに突入。だが、タイム差は15秒しかない。
なんと、フルームは最後尾。
Team DSMの二人が先頭を引く。
ここで先頭から3人が飛び出す。
- クリスティアン・スカローニ (GAZPROM-RUSVELO)
- マルコ・ブレンナー (TEAM DSM) 12ポイント
- エドワード・ラヴァシ (EOLO-KOMETA) 10ポイント
フルームは5番手。この後集団に吸収される。
集団はすでにバラバラ。
ダビ・デラクルスが先頭を引く。
- ヴィンチェンツォ・ニバリ
- アレッサンドロ・コーヴィ
- ロマン・バルデ
- アレハンドロ・バルベルデ
- ダビ・デラクルス
バルベルデのグループに後続が追いつきそうだ。追いかけているのは、EOLO-Kometaのロレンツォ・フォルトゥナート。
覚えているだろうか、2021ジロ・デ・イタリア第14ステージで、ゾンコランの激坂で勝利したライダーだ。
ここでヴィンチェンツォ・ニバリがアタック!
このアタックには、誰も反応出来ない!
メッシーナのサメは、一気に先頭の3人を抜いていった。しかも、凄い差をつけている。
後ろからロマン・バルデが追っている。ロマン・バルデも総合で12秒しか遅れていないので、追いつけば表彰台だ。
バルベルデは、追うしかないのだけど先頭には立たない。
ニバリはどこまで逃げれるか?
ロマン・バルデはニバリに追いつかず、後続が合体。これで逃げているのはニバリだけだ。
おっと、アレッサンドロ・コーヴィが追走集団からアタックをかけて抜け出した。遥か彼方まで一気に開けている。
こうなると、アレハンドロ・バルベルデが追うしかない。
だが、バルベルデはダンシングで、一気にアレッサンドロ・コーヴィを捕まえる。
また、後続は5人に戻る。
- アレッサンドロ・コーヴィ(UAE Team Emirates)
- ダビ・デラクルス(UAE Team Emirates)
- ロマン・バルデ(Team DSM)
- アレハンドロ・バルベルデ(Movistar Team)
- ロレンツォ・フォルトゥナート(EOLO-Kometa)
ニバリを捕まえないと総合で逆転されるのでバルベルデが引くしかない。すでに24秒離れており、バーチャルリーダーをニバリに奪われている。
ニバリは36秒のタイム差を稼ぎ出した。頂上までもっと稼がないと下りで追いつかれてしまう。
ニバリが頂上を越えた。
ニバリは、更に加速。40秒まで稼ぎだす。
追走も山頂を通過。通過順位は
- ヴィンチェンツォ・ニバリ(Trek-Segafredo) 25ポイント
- ロレンツォ・フォルトゥナート(EOLO-Kometa) 17ポイント
- アレハンドロ・バルベルデ(Movistar Team) 12ポイント
- ダビ・デラクルス(UAE Team Emirates) 19ポイント
- アレッサンドロ・コーヴィ(UAE Team Emirates) 7ポイント
- ロマン・バルデ(Team DSM) 5ポイント
- テイメン・アレンスマン(Team DSM) 3ボイント
ニバリは、下りを全開で踏んでいる。
タイム差は縮まらない。これは一気に総合も逆転となりそうだ。
4人が追うがタイム差を縮めるには、アレハンドロ・バルベルデが引くしかない。だが、昨日のゴール後の落車が響いているようで、あまり引かない。
残り2kmでタイム差は55秒。決まりだ。
ヴィンチェンツォ・ニバリは地元で見事に勝利してみせた。ゴール後は涙にくれる姿が。
ニバリの勝利は、2019ツール・ド・フランス第20ステージの勝利以来、実に2年振りの勝利だ。嬉しくないはずがない。
ニバリは来シーズンからアスタナに復帰するが、この勝利で来シーズンの手ごたえも感じたのではないだろうか。
ニバリはゴール後に
信じられないほどの感情。いろいろな理由でしばらく勝てなかった。私が子供の頃に走った通りで勝つことは特別なことだ。友人、いとこ、そして親戚が見ていた。なんと素晴らしい!
登りのこちら側はあまり行ってなかったが、道路の90%を知っていた。私が攻撃したとき、決して振り返らなかった。私は自分で最後までプッシュしなければならないことを知っていた。
降下をよく知っていたが、集中力の欠如のためか、コーナーを逃した。チームは素晴らしかった。私は彼らに感謝しなければならない。
そして2位となったアレハンドロ・バルベルデは
ニバリがアタックすると思っていたが、それほど速くはなかった。彼に追いつけると思っていたが、彼は本当に強かった。
彼を捕まえることができないとわかったとき、2位をキープすることを考え始めた。昨日のクラッシュは、火傷がひどかったこともあって効果がなかったが、全体的に調子が悪かった。
鎖骨の手術をした後だったので、ステージ優勝できたことも含めて満足している。私はニバリを祝福するしかない。
やはり、昨日のゴール後の落車で肘と肩を痛めたのが影響していたようだ。それでも表彰台は素晴らしい成績だ。
リザルト
第4ステージ
Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|
1 |
NIBALI Vincenzo
|
Trek – Segafredo | 14 | 4:24:29 |
2 |
RAVANELLI Simone
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 5 | 0:49 |
3 |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 3 | ,, |
4 |
BARDET Romain
|
Team DSM | ,, | |
5 |
RESTREPO Jhonatan
|
Androni Giocattoli – Sidermec | ,, | |
6 |
VALVERDE Alejandro
|
Movistar Team | ,, | |
7 |
VELASCO Simone
|
Gazprom – RusVelo | ,, | |
8 |
FORTUNATO Lorenzo
|
EOLO-Kometa | ,, | |
9 |
ARENSMAN Thymen
|
Team DSM | ,, | |
10 |
DE LA CRUZ David
|
UAE-Team Emirates | ,, |
総合
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ▲9 |
NIBALI Vincenzo
|
Trek – Segafredo | 125 | 18:09:50 |
2 | 1 | ▼1 |
VALVERDE Alejandro
|
Movistar Team | 85 | 0:46 |
3 | 2 | ▼1 |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 70 | 0:49 |
4 | 3 | ▼1 |
RESTREPO Jhonatan
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 60 | 0:55 |
5 | 5 | – |
BARDET Romain
|
Team DSM | 50 | 0:58 |
6 | 6 | – |
VELASCO Simone
|
Gazprom – RusVelo | 40 | 0:59 |
7 | 11 | ▲4 |
ARENSMAN Thymen
|
Team DSM | 35 | ,, |
8 | 12 | ▲4 |
FORTUNATO Lorenzo
|
EOLO-Kometa | 30 | ,, |
9 | 14 | ▲5 |
EG Niklas
|
Trek – Segafredo | 25 | ,, |
10 | 20 | ▲10 |
RAVANELLI Simone
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 20 | 1:03 |
ポイント賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
MOLANO Juan Sebastián
|
UAE-Team Emirates | 24 |
2 | 2 | – |
VALVERDE Alejandro
|
Movistar Team | 23 |
3 | 5 | ▲2 |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 18 |
4 | 3 | ▼1 |
MOSCHETTI Matteo
|
Trek – Segafredo | 17 |
5 | 6 | ▲1 |
BARDET Romain
|
Team DSM | 16 |
6 | 8 | ▲2 |
RESTREPO Jhonatan
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 15 |
7 | 4 | ▼3 |
MARECZKO Jakub
|
Vini Zabù | 13 |
8 | – |
NIBALI Vincenzo
|
Trek – Segafredo | 12 | |
9 | 11 | ▲2 |
VELASCO Simone
|
Gazprom – RusVelo | 11 |
10 | – |
RAVANELLI Simone
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 10 |
山岳賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ▲2 |
SCARONI Cristian
|
Gazprom – RusVelo | 45 |
2 | 2 | – |
VALVERDE Alejandro
|
Movistar Team | 32 |
3 | 1 | ▼2 |
KING Ben
|
Rally Cycling | 30 |
4 | 14 | ▲10 |
NIBALI Vincenzo
|
Trek – Segafredo | 30 |
5 | 4 | ▼1 |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 21 |
6 | 6 | – |
DE LA CRUZ David
|
UAE-Team Emirates | 21 |
7 | 18 | ▲11 |
FORTUNATO Lorenzo
|
EOLO-Kometa | 19 |
8 | 19 | ▲11 |
HAMILTON Chris
|
Team DSM | 19 |
9 | 10 | ▲1 |
BARDET Romain
|
Team DSM | 12 |
10 | 5 | ▼5 |
NIBALI Antonio
|
Trek – Segafredo | 12 |
新人賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 18:10:39 |
2 | 5 | ▲3 |
ARENSMAN Thymen
|
Team DSM | 0:10 |
3 | 6 | ▲3 |
FORTUNATO Lorenzo
|
EOLO-Kometa | ,, |
4 | 2 | ▼2 |
BAIS Mattia
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 1:30 |
5 | 8 | ▲3 |
GOLDSTEIN Omer
|
Israel Start-Up Nation | 2:33 |
6 | 9 | ▲3 |
MARTÍN Sergio Roman
|
Caja Rural – Seguros RGA | 3:39 |
7 | 12 | ▲5 |
MUÑOZ Daniel
|
Androni Giocattoli – Sidermec | 3:56 |
8 | 3 | ▼5 |
MARTINELLI Alessio
|
Team Colpack Ballan | 4:30 |
9 | 14 | ▲5 |
COLOMBO Raul
|
Work Service Marchiol Vega | 5:17 |
10 | 4 | ▼6 |
SCARONI Cristian
|
Gazprom – RusVelo | 10:21 |
全く関係ない話だけど、今日生まれて初めてUFOらしきものを見た。高い上空を飛んでいたので最初は飛行機だと思っていたのだけど。なんと、スピードを変えて曲がりだしたので、エッと思って動画を撮ろうと用意してたら消えていた。
あれは何だったのだろう。でも、ようやくUFOが見れて少し嬉しい(^^
コメント
TREKへ来てからは本当に見せ場の無かったニバリ、メッシーナの鮫も一時期は鋸歯を抜かれたようになっていましたが、やっとニバリらしい勝ち方で勝利を手にしましたね、古巣への手土産の為にも是非とも総合でも勝ちとってほしいです。
後はやはりフルーム…まだまだ華のある選手ですから活躍を期待したいですね、バルベルデ師匠が総合争いしているのですから、若手選手とのガチンコで捻じ伏せる姿を期待したいです。
ニバリのアタックは本当に素晴らしかった。下りで追いつかれるかと思ってましたけど、更に引き離すとは~。
地元で道を知っているということ、更にゴールでは多くの地元の人が待っていることも力になったかと思います。
フルームは、英国選手権にもTTで出るようなので、もう少しロードシーズンを走れると思ってます。どこかで、復活した姿を見せて貰いたいですね。