2026年ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージで、Team Visma | Lease a Bikeはワウト・ファンアールトを勝たせるため、チーム全体でレースをコントロールした。
マシュー・ブレナンはこれまで第2、第5ステージを制していたが、この日は自ら勝利を狙うのではなく、チームメートのために働く役割を選択。セップ・クスらとともに逃げを追い、最終的に集団をスプリントへ持ち込んだ。
しかし、ワウト・ファンアールトは4位。
チームが総力を挙げたにもかかわらず、勝利には届かなかった。
プランAは僕のスプリント
この日のTeam Visma | Lease a Bikeは、序盤から明確に動いた。 ステフェン・クライスヴァイクらがCofidisと共に逃げとの差をコントロールした。
残り3kmで、マシュー・ブレナンが猛然と集団を牽引。
第2、第5ステージの勝者であるブレナンまでチームメートのために働いたことで、チームがこの日の勝利を誰に託していたのかがはっきり分かる。
ワウト・ファンアールト自身も、レース前からこの日の「プランA」は自分がスプリントすることだったと明言。
起伏の多いコースで集団が疲弊した後のスプリントは、自分にとってチャンスがあると考えていた。
La récompense, elle est là !
Bastien Tronchon, vainqueur d’étape sur la Vuelta !— Équipe Cycliste Groupama-FDJ United (@GroupamaFDJ) September 1, 2026
ところが、最後の1kmでファンアールトは苦しい位置に追い込まれた。
集団は終盤のアタックが繰り返される混沌とした状態となり、ファンアールトも十分な位置を確保できなかった。
本人は、最後の300mではすでに脚に余力が少なく、4位に終わった結果には失望していると振り返っている。
ただし同時に、チームの働きについては心から誇りに思っているとも話した。
何故そんな質問するんだ?
“We deal with it in an amazing way”
Wout van Aert is adamant there are no issues over opportunities for himself and Matthew Brennan, praising the incredible team spirit at Visma | Lease a Bike. pic.twitter.com/5BUKVtg9pO
— Cycling on TNT Sports (@cyclingontnt) September 1, 2026
そしてレース後、ベルギーのメディアからは「ブレナンではなくファンアールトをエースにした判断は正しかったのか。」という趣旨の質問も出た。
これに対するファンアールトの答えは明快だった。
「一体どこからそんな質問が出てくるのか分からない。」 というほど、チームの判断に疑問を持っていなかった。
ワウト・ファンアールトはブレナンとの信頼関係を強調し、第2ステージや、パリ~ルーベでもマシュー・ブレナンが引いてくれており、これまでのレースでも互いに助け合ってきたことを説明。
この日は自分のためにチーム全員が力を使ってくれたことに対して、迷いはまったくなかったという。
これは今回の4位を考えるうえで重要なポイントだ。 結果だけを見れば、2勝しているブレナンに任せた方がよかったのではないか、という疑問も出てくる。
しかし、チームとしてはポイント賞首位のファンアールトに、このコースが十分に適していると判断していた。
ファンアールトも、その判断を全面的に支持している。 つまり、作戦そのものが失敗だったというより、最後の300mでファンアールト自身の脚が足りなかったというのが本人の受け止め方だ。
ブレナンが自ら勝利のチャンスを譲り、セップ・クスやステフェン・クライスヴァイクらがレースをコントロールする。
それだけの犠牲を払っても、最後の勝負で勝てるとは限らない。 それがロードレースだ。
ワウト・ファンアールトにとっては悔しい4位だった。 しかし、チーム全員が自分を勝たせるために走ってくれたことへの誇りは、結果よりも大きかった。
勝てば、何も文句は言われないけれど、負けるととことん叩かれる。まあ、いつものパターンだ。
ブエルタはまだ続く。 マイヨ・ベルデを守りながら、今度こそ自らの力でステージ勝利をつかむチャンスは残されている。




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