ロードバイクの情報を発信しています!

ツール2勝の原動力は幸福感 : テイメン・アレンスマンを変えたトム・デュランの教え

海外情報
Photo credit: Ronan Caroff on Visualhunt
この記事は約3分で読めます。

2025 ツール・ド・フランス第19ステージ。 土砂降りの雨が降り注ぐラ・プラーニュの頂上で両手を突き上げたのは、テイメン・アレンスマン(INEOS Grenadiers)だった。

 

ピレネーでのステージ優勝に続き、アルプスの難所も制して掴み取ったこの「ツール2勝」は、オランダのファンを熱狂させただけでなく、彼自身にとってもキャリアの転換点を象徴する出来事となった。

かつては期待の若手というプレッシャーの中でメンタルを消耗し、自分自身を見失いかけていたアレンスマン。 そんな彼が、どのようにして迷いを断ち切り、世界最高峰の舞台で本来の力を発揮できるようになったのか?

その復活の裏には、同じオランダの偉大な先輩、トム・デュランとの対話があった。 「速くなるために必要なのは、苦しむことだけではない」。 アレンスマンが明かした、デュランからの金言とその変化について語った部分を紹介。

 

スポンサーリンク

ハッピーであること

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by Thymen Arensman (@thymenarensman)

 

2024年の冬、トム・デュランと話す機会があったそうですが、それはあなたにどのような影響を与えましたか?

彼との出会いは本当に大きなものだった。 ポッドキャストで話した内容もそうだが、マイクの電源が切れた後の会話でも、トムは本当に多くのことを共有してくれた。

「何かあったらいつでも電話してこい」と言ってくれて、実際に僕がヴォルタ・アン・アルガルヴェで調子を落とした時も、彼に電話で相談したんだ。

 

具体的に、どんなアドバイスをもらったのでしょうか?

トムと僕は、経験してきたことが少し似ているんだ。 彼はこう言った。

「誰もが自分を証明しようと必死で、市場に出回る新しいわずかな利益を追い求めている。でも、その過程で自分自身を見失ってしまうことがあるんだ」と。

そして、一番響いたのはこの言葉なんだ。

「もう少しハッピーであるように努めてみれば。それが結果的に、君をより速く走らせることになるから」

 

「幸せであること」が速さに繋がる。その言葉をどう実践しましたか?

例えば、トレーニングでも無理に自分を追い込むのをやめた。 1月のテネリフェ合宿では、毎日のように登坂で遅れていたけど、以前のようにストレスを感じることはなかった。

今はワット数が低くても、レースになれば出ると自分を信じて、リラックスして過ごした。 それから、栄養士をつけるのもやめたんだ。

これが理想的なプランだと言われても、それが自分に合わなければ意味がない。今は自分の体の声を聞いて、食べたいものを食べている。

もしチョコレートが食べたければ食べる。ただし、以前なら我慢してストレスを溜めていたところを、今は「ミルクではなくダークチョコレートにする」といった小さな工夫で楽しむようにしている。

そうやって精神的な負荷を取り除くことが、今の結果に繋がっていると信じている。

 

テイメン・アレンスマンは、ジロ・デ・イタリアにエガン・ベルナルと出場との噂がある。ジロとは相性がよさそうなのでステージが狙えるか。ケヴィン・ヴォークリン、オスカー・オンリーも移籍してくるので、グランツールのエース争いは厳しくなる。

それでもハッピーな心で走っていれば結果はついてくる。それを証明したのが2025 ツール・ド・フランスでのステージ2勝だ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました