AeroPodは、パワーメーターの測定だけでなく空気抵抗を測定し、サイクリストがより良い空気力学的なポジションをバイクに採用するのに役立つという。
大規模な風洞実験をする必要がなく、ポジションや装備によってどれだけ空気抵抗が変わったかを測定出来るというのだ。
空気抵抗が測定出来ると言われても信じられないですよねえ~。
そこで参考記事では、風洞実験とAeroPodでの測定を行い検証も行っている。
Velocomp AeroPod
紹介ビデオはこちら。
AeroPodは、ハンドルバーの下側に、細いピトー管(流速を測定する)が前方を向くようにボルトで固定する。
AeroPodは、PowerTapハブ、Garmin Vectorペダル、Shimano Dura-Aceクランクベースのパワーメーターなど、ダイレクトフォースパワーメーターと連動。
つまり、既に所有している場合は良いけれども、ない場合はかなりの追加費用が必要となる。
AeroPodセンサーは、路上データ(自転車速度、坂道、自転車加速度、風速)を測定。AeroPodはセンサーデータをリアルタイムで処理して、AeroPodの対抗力とDFPM電力のバランスをとるCdAの値を計算する。
転がり抵抗の係数は、乗車中に測定されるものではなく、タイヤの種類、タイヤの空気圧、および道路の種類に由来する数値なので、AeroPodを最初にセットアップするときにこれらを入力する必要がある。
- ANT +ダイレクトフォースパワーメーター(DFPM)で動作
- 空中抗力(CdA)の路上ライブ測定
- CdAの3桁表示
- CdAの変更により得られた/失われた時間のリアルタイムのリアルタイム測定(TimeAdvantage)
- 自転車の装備、アクセサリー、衣類の空気力学を測定/比較
- ライドメモリには、アフターザライド分析のために生のセンサーデータが保存される
- 乗車後のCdA分析用のIsaacソフトウェアが含まれる
Velocomp の製品には、AeroPod以外にも3種類あり、最上位機種のAeroPodは普通にパワーデータも測定出来るのは当然。
詳しくは、公式サイトを末尾にリンクしているのでそちらをご覧ください。
風洞実験室データと比較
ボードマン・パフォーマンス・センターで測定された乗車ポジションに関するドラックデータがあり、それと比較することを行った。
ライダーと服装は同じにして、風洞データが正しいと仮定して1.5kmのサイクルサーキットで測定。
比較する風洞実験で得られた測定のポジションは
ポジションA:ブラケットに手を当てた標準位置
ポジションB:ブラケットポジションで前腕を平らにし体勢を低くする
ポジションC:ハンドルバーの下を持つ
ポジションD:タイムトライヤルバーを持ったポジション
ポジションE:ハンドルバーの下を持ち体制を低くする
ポジションの詳細はそれほど重要ではなく、AeroPodの結果が風洞実験の結果と比較された順位にだけ注目する必要がある。
空気抵抗の値は、ガーミンでもリアルタイムに表示されるが解析するにはisaacと呼ばれるソフトにアップロードする必要がある。
AeroPodが解析した値は、次のようだった
ポジションB:CdA 0.387 ブラケット低い体勢
ポジションC:CdA 0.403 ドロップ下ハン
ポジションD:CdA 0.346 タイムトライヤルパー
ポジションE:CdA 0.384 ドロップ下ハンで低い体勢
ポジションBとポジションEに注目して貰いたい。
風洞実験で得られているデータでは、プラケットを持って体勢を低くするポジションが一番空気抵抗が少ないというのは、皆さんも知っていると思います。
肘を折りたたんで、体勢を低くしたポジションですね。
この順位が風洞実験室と違っていた。
AeroPodの数値によると、これらの2つのポジションのCdAは互いに非常に似ており(0.384対0.387)、これ以外の順位は同じだったのだ。
実験では更にヘルメットとグラスを変えて実験。
KaskヘルメットとPocメガネで3回のテスト。
Giroヘルメットに交換して3回のテスト。
結果は次のとおり。
ラップ1:CdA 0.365
ラップ2:CdA 0.368
ラップ3:CdA 0.482
Giro Vanquishヘルメット
ラップ4:CdA 0.357
ラップ5:CdA 0.353
ラップ6:CdA 0.353
これらの数値はより一貫性があり、Giro Vanquishの3つの結果はすべて、Kaskヘルメット/ Pocメガネの結果よりも低く値になっている。
AeroPodからの明確なアドバイスは、Giro Vanquishヘルメットが空力効率の高いオプションであるということがいえる。
実験では、後日同じテストを再度行っているが同様の結果となった。
テスト結果から
AeroPodは、Garmin画面でリアルタイムに空気抵抗の値が読み取れるが、常に変化してしまう。
装備などのテストでは、同じパワーで走行するのは難しい。だが、解析ソフトを使えば明確になり効果ははっきりとわかる。
空力効率を比較できる信頼性の高い結果を得ることができるので、レースやタイムトライアルの場合は価値があるはずだ。参考記事でも書かれているが、テストテクニックを磨き、結果を解釈するには粘り強く続けることが必要だと結んでいる。
ハンドルバーに取り付けるだけで、空気抵抗が測定出来るというのは新しい試みで今後更に発展した機器が登場する可能性は高いですね。
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