パリ~ルーベは、歴史的にシーズン最大の自転車技術のショーケースであり、各ブランドが新しい耐久ロードバイクを発表する場でもある。
まず、トレックは女子レースで、新型のTREK Domaneを披露している。
過去数十年にわたり、各ブランドが快適性を重視したバイクを発表してきたが、最近はより多くのチームがエアロに特化したマイルドなレースバイクを選択するようになっている。
昨年優勝したソンニ・コルブレッリも市販のメリダReactoを使用していた。
INEOS Grenadiersも、1台のバイクであらゆるコンディションに対応できることを示している。石畳に特化した仕様に変更しているのは当然だけど。
Pinarello Dogma F

Image credit: Peter Stuart
過去数年、チームはDogma K8-S(フレームに小さなリアサスペンションシステムを搭載)のような石畳に適応したバイクを使用していた。
以下は電動だが、チームはK8-Sを使用していた。
だが、今年はミハウ・クフィアトコフスキや、フィリッポ・ガンナが使用するのは、空力にフォーカスしたDogma Fだ。
エアロの性能もさることながら、ミハウ・クフィアトコフスキのDogma Fは、石畳に特化した技術セットアップもしている。
石畳に特化した仕様

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INEOS Grenadiersは、メンバー全てのバイクにチューブレスタイヤを装着し、コンチネンタルGP5000 S TRを選択した。
ライダーは30mmタイヤを選択し、チームメカニックは、タイヤの空気圧を3.6~5.5bar(52~80psi)に設定すると説明している。
チューブレスならではの、とても低い空気圧だ。
しかし、これまで多くのチームは、特注のシルクウォール・チューブラータイヤなど、より専門的なソリューションに取り組んでいた。パリ〜ルーベでチューブレスが採用されたは昨年が初めてだったではないかな。
Team DSMのチューブレス技術の誕生は、レース中の空気圧管理システムの実験の扉を開くものとなりそうだ。
パリ~ルーベで使用される予定だったが、今回は使用されない。結局デビューはツール・ド・フランスの石畳のステージとなるらしい。

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パリ〜ルーベのセットアップは、イネオスの通常装備とほぼ同じだが、よく見ると微妙に変わっている。タイヤは当然だが、チェーンリングの歯数が54~40と大きくなっている。
これはパリ~ルーベが比較的平坦なコースであるためと思われるが、石畳の上でもチェーンラインがまっすぐになり、チェーンドロップの可能性が低くなることも考えられる。
今シーズン、各チームはチェーンドロップに悩まされていた。その原因はシマノ・デュラエースの新旧世代が混在しているのが原因だ。

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ミハウ・クフィアトコフスキのドグマは、シマノパワーメーターを含む9200デュラエースを搭載しているが、供給の問題から旧型のコンポーネントに頼らざるを得ないライダーもいる。
ルーク・ロウのバイクは、新旧のデュラエースが混在している。
さらに、イネオスはバーテープを2重に貼り、ブレーキレバーに薄いサンドペーパーを貼ってグリップ力を高めている。

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サイクルコンピューターはガーミンが提供。ミハウ・クフィアトコフスキはガーミンEdge 530を選択。
レース用トランスポンダーを固定するためのラバーバンドは、石畳のセクターで跳ね返されないようにするためのもので、美観よりも実用性を重視したものだ。

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リアディレイラーのDi2ケーブルもハンガーにゴムバンドで固定され、ケーブルがディレイラーのソケットから外れてギアが反応しなくなることがないように工夫されている。

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ミハウ・クフィアトコフスキのサドルには、フィジークのAntares Versus Evo R3 Adaptiveというアダプティブサドルが採用されている。
このサドルは3Dプリントされた素材を使用し、ハニカム層を形成して石畳区間の衝撃を和らげるクッション性を備えている。
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