先日のUAEツアーは、アダム・イェーツにとって新しい時代の幕開けとなった。
2014年にプロに転向して以来、双子の兄弟であるサイモン・イエーツと共に7年間キャリアを積んだミッチェルトン・スコットからイネオス・グレナディアーズに移籍。
UAEツアーはイネオス・グレナディアーズからのデビュー戦となった。
アダム・イェーツの乗ったPinarello Dogma F12 X-Lightについてみてみよう。
Pinarello Dogma F12 X-Light
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アダム・イェーツはプロとしてのキャリアを通じてScottのバイクに乗ってきたため、イネオスへの移籍では全く新しいブランドのバイクに慣れ親しむことになる。
だが、それには明らかに時間はかかっていない。最終ステージで大クラッシュに見舞われたにもかかわらず、デビュー戦で総合2位を獲得。
イネオス・グレナディアーズの2021年シーズンのバイクはPinarello Dogma F12で、イェーツはUAEツアーでの1週間にX-Lightの最上位モデルを使用した。
X-Lightはその名の通り、ピナレロのカーボンファイバー技術を駆使してフレームを軽量化したモデル。
フレームにToracya T1100 UDドリームカーボンファイバーを使用したおかげで、XLightは標準のドグマF12に比べて60g節約出来ている。

Image credit: Bettini Photo
この日は、平坦ステージだったためにフロントは54Tを使用していた。
フレーム自体はイェーツにとっては新しいものだが、デュラエースDi2のグループセットは少なくともある程度の親しみやすさを提供してくれるだろう。
ミッチェルトン・スコット(今年はTeam BikeExchange)もイネオスも、Shimanoがスポンサーとなっている。

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ただし、変速性能は同じになるが、ブレーキはかなり異なる。
イェーツは過去2シーズン、デュラエースのディスク版を使用していたが、イネオスは今年もリムブレーキを使用している唯一のチームとなっている。
2つのチームが共有しているもう一つのスポンサーはガーミンで、チームにEdgeコンピュータを提供している。ここには写っていないが、イェーツはEdge 530を選択している。

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イェーツのコックピットで最も注目すべきは、シマノのDi2サテライトシフターが追加されたこと。これはドロップの下側に配置され、「ガントリガー」のシフターポジションを採用している。

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今のところ、グループセットは11速モデルだが、新しいデュラエースが登場し、12速になるのではないかという噂が飛び交っているが、おそらくワイヤレス化もされるだろう。

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イネオスは定期的にライトウェイトのMeilensteinホイールを使用している。
2020年のツール・ド・フランスではプロトタイプのシマノホイールが目撃されているにもかかわらず、イェーツはグループセットと同じDura-Aceシリーズのホイールを使用していた。

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Continental Pro Ltdチューブラータイヤの幅は25mm。ブチルではなくてラテックスチューブが入っている。
スポンサー付きのプロチーム専用なので、市販はされてない。ただ、ほぼプロ仕様に近いチューブラーは、TDF限定版として発売されている。

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コックピットは、ピナレロのコンポーネント子会社であるMOSTの提供によるもので、バーとステムが一体化している。

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リムブレーキ仕様なので、ケーブルは一部露出となっている。

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ピナレロ独自のシートポストの上にはイタリアのFizik社製のアリオネカーボンサドルが取り付けられ、Elite社製のレジェロカーボンボトルケージが装着されている。

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エースナンバーをつけた走りを存分に見せて貰いましたね。
UAEツアー第3ステージのジュベル・ハフィートでは、10.6kmの登坂距離で、平均勾配6.9%の山頂ゴールに向けて、タデイ・ポガチャルと激闘。
ゴールは譲ったけれども、そのスピードは昨年をはるかに上回っていた。
Pinarello Dogma F12仕様
- フレームセット:Pinarello Dogma F12
- フロントブレーキ:Shimano Dura-Ace R9110 Direct Mount Brake Caliper
- リアブレーキ:Shimano Dura-Ace R9110 Direct Mount Brake Caliper
- ブレーキ/シフトレバー:Shimano Dura-Ace Di2 R9150 Dual Control Lever
- フロントディレイラー:Shimano Dura-Ace Di2 R9150
- リアディレイラー:Shimano Dura-Ace Di2 R9150
- カセット:Shimano Dura-Ace、11-30T
- チェーン:Shimano Dura-Ace
- タイヤ:Continental Pro Ltd Tubular 25mm
- ハンドルバー/ステム:MOST Talon Ultra bar/stem
- ペダル:Shimano Dura-Ace R9100
- サドル:Fizik Arione 00 carbon braided
- シートポスト:Pinarello Dogma F12
- ボトルケージ:Elite Leggero Carbon
- コンピューター:Garmin Edge 530
アダム・イェーツは最終ステージで、顔を切っただけのように見えたが、イェーツは回復するための時間を十分に持っている。
彼の2021年のメインイベントは、8月のブエルタとなり、Ineos Grenadiersのラインをリードすることになる。
しかし、イェーツは2020年シーズンは3レースしか完走していない。
すでに20日以上のレース日数を失った春を考えると、2021年シーズンがどのように展開されるのかは定かではない。もう少し、レース数を重ねるべきだろう。
コメント
アリオネr1じゃないでしょうか?
まさん、その通りです!
アリオーネになってましたね。また教えて下さい<(_ _)>